2023年11月13日月曜日

ITリテラシーについて 01-04

 アナログ思考の失敗

 ワープロは活字で印刷出来る道具として広まりました。紙の文化は簡単に捨てられません。PCについても印刷機として使うことを目的としたアナログ思考の人がほとんどでした。そのため、PCがデータ処理を目的とする道具と認識されず、可哀想なものとなりました。

 少し勤めたある組織では、毎年統計年鑑を発行していました。毎日の実験結果のデータをPCに入力して、表やグラフを作り、最終的に年鑑という印刷物を作ってきました。年鑑の完成後は、入力したデータはFDやMOに保存されましたが、ある時期破棄してしまいました。
 その後、過去の資料をデジタル化する必要があり、10年以上の年鑑の膨大なデータを人が目で見て手入力する作業となりました。

 デジタル情報からアナログ情報への変換には、印刷コストがかかります。
 アナログ情報からデジタル情報への変換には、人件費がかかります。

 企業が利益を出すためには、この変換作業を無くす情報の運用方法を採用しなければなりません。

 20年近く昔ですが、教育関係のIT補助をしてる時、小学校にシャープのスタディノートという子どもたちが情報発信・意見交換をしながら主体的・対話的で深い学びを支援するソフトウェアが導入されていました。
 子どもたちが、そのデジタルノートにテーマに沿った文字や絵を創作して、教室内外でノートを共有し、意見交換も出来るという優れたものでした。
 でも、先生がアナログ思考でしたので、デジタルで共有するという概念がなく、各自のノートを印刷して教室の壁に張り出していました。そうして画質が悪いとクレームを言います。
 伝送するためにデータを軽くするのは当然で、画面で見れば悪い画質ではありません。でも運用方法が逆方向なのでクレームになりました。
 せっかくの最先端の道具でも指導者の教育が置き去りされて失敗した例でしょう。

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